このページの約束

1まず予想しよう:10 °C を 20 °C にすると、体積は 2 倍?

シミュレーターを動かす前に、直感で答えを選んでください。正解は、操作したあとに開いて確かめます。

予想1 圧力を一定にしたまま、気体の温度を 10 °C から 20 °C にします。体積はどうなる?

答え合わせ(操作のあとに開こう)

正解:イ 体積が比例するのは、°C の温度ではなく絶対温度 T です。283 K が 293 K になるので、293 ÷ 283 ≈ 1.035 倍です。

予想2 温度を一定にしたまま、ピストンを押して体積を半分にします。圧力は 2 倍になります。粒子には何が起きている?

答え合わせ(操作のあとに開こう)

正解:ウ 温度が同じなら粒子の速さの平均は変わらず、物質量が同じなら粒子の数も同じです。粒子が動ける場所が半分になるので、同じ時間に壁へぶつかる回数が 2 倍になります。

予想3 27 °C、10 L の気体を、物質量を変えずに 327 °C、20 L にします。圧力はどうなる?

答え合わせ(操作のあとに開こう)

正解:ウ 絶対温度にすると 300 K が 600 K で、ちょうど 2 倍です。体積も 2 倍です。温度が 2 倍だと圧力は 2 倍、体積が 2 倍だと圧力は半分になるので、打ち消し合います。

予想4 同じ温度、同じ圧力、同じ体積の水素 H₂ と二酸化炭素 CO₂ があります。分子の数が多いのはどちら?

答え合わせ(操作のあとに開こう)

正解:ウ PV = nRT に気体の種類は入っていません。P、V、T が同じなら n も同じです(アボガドロの法則)。H₂ の分子は軽いぶん速く動き、CO₂ の分子は遅いぶん重いので、同じ圧力になります。

2動かしてみよう:ピストンの中の気体

まず、何を一定にするかを選びます。ピストンを指やマウスで左右に動かすか、スライダーを動かすと、もう一方の量が式で決まります。「状態 1」は比べるもとの状態で、モードを切り替えたときに、その時点の状態になります。

右の矢印の長さが、外から押す圧力の大きさです(V 一定のモードでは、ピストンを止めているので出しません)。粒子の図は模式図です。

P–V グラフ
もう 1 つのグラフ
いまの状態(塗った丸) 状態 1(白丸) いまの条件の線(実線) 状態 1 の線(破線) 直線を 0 K までのばした部分(点線)

状態 1 と比べる

状態 1いま倍率

粒子で見ると:圧力は「回数 × 強さ」

ぶつかる回数
1 回の強さ
圧力

状態 1 を 1 としたときの倍率です(棒の右端が 4 倍)。体積が同じなら、温度を上げると粒子が速くなって、回数も強さも増えます。

量を動かす

気体の種類

種類を変えても、V・P・T・n の関係は変わりません。変わるのは、質量と密度と粒子の速さです。

いまの値

P×V
P×V÷T
P×V÷(n×T)
気体
質量 w = nM
密度 d = w÷V

小数は丸めて表示しています。表示された値で計算し直すと、最後の桁が少し違うことがあります。

3観察のポイント:何を一定にすると、何が比例するか

上から順に試して、気づいたことに印をつけていきましょう(印はこの画面の中だけで使い、保存はされません)。

  1. やってみるT 一定のモードで、ピストンを 25 L から 12.5 L まで動かす。

    見るところP が約 2 倍になり、P–V グラフの長方形は、横が半分、縦が 2 倍になります。長方形の面積が P×V です。点は、反比例の曲線の上だけを動きます。

  2. やってみる同じモードで、右のグラフを見ながら V を動かす。

    見るところP–1/V のグラフでは、点が原点を通る直線の上を動きます。P は V に反比例し、1/V に比例するからです。

  3. やってみるP 一定のモードで、横軸を t [°C] と T [K] で切り替える。

    見るところ線も点も同じ場所のままで、変わるのは目盛りの読み方と縦軸の位置だけです。t の軸では、線が t = 0 で 0 になりません。T の軸では原点を通ります。比例しているのは T です。

  4. やってみるV–T のグラフの点線を、左へたどる。

    見るところ圧力が違っても、どの直線も同じ −273 °C で V = 0 になります。この温度が絶対温度の 0 K です。ただし実際の気体は、そこまで冷やす前に液体や固体になります。点線は、理想気体の直線をのばしたものです。

  5. やってみる「状態 1 と比べる」の下の文を読む。

    見るところ°C のままだと 27 ÷ 0 になって計算できません。T で比べれば 300 ÷ 273 ≈ 1.10 倍です。

  6. やってみるV 一定のモードで、T を動かす。

    見るところT が 2 倍で P も 2 倍です。「粒子で見ると」の欄では、回数も強さも ×1.41 で、かけて ×2.00 になります。温度が 2 倍でも、粒子の速さは 2 倍ではなく、約 1.41 倍です。

  7. やってみる全部動かすモードで、V と T をどちらも 2 倍にする。

    見るところP の倍率は 1.00 倍です。「P×V÷T は変わらない」の欄で、前と後の値が同じになることも確かめましょう。

  8. やってみるT・P 一定のモードで、H₂ から CO₂ まで種類を切り替える。

    見るところV、P、T、n はそのままです。粒子は H₂ で速く、CO₂ で遅くなります。質量は H₂ の 2.00 g から CO₂ の 44.00 g まで変わります。「粒子で見ると」の欄でも、圧力は同じになります。

  9. やってみる「標準状態の 1 mol」のボタンを押す。

    見るところV が 22.4 L と表示されます。気体の種類を変えても同じです。化学基礎で使った 22.4 L/mol は、状態方程式の特別な場合です。

4式を書こう:絶対温度とボイルの法則・シャルルの法則

絶対温度:T = t + 273

気体の法則では、温度をいつも絶対温度 T(単位 K、ケルビン)で表します。°C で表した温度 t との関係は次のとおりです。

$$T = t + 273$$

27 °C は 300 K、0 °C は 273 K、−73 °C は 200 K です。目盛りの間隔は同じなので、温度の差は °C でも K でも同じ数になります。20 °C から 50 °C へ上げると、差は 30 K です。差に 273 を足す必要はありません。

ボイルの法則:温度が一定なら PV は一定

温度と物質量が一定のとき、気体の体積は圧力に反比例します。これをボイルの法則といいます。

$$PV = \text{一定}$$ $$P_1V_1 = P_2V_2$$

例:2.0×10⁵ Pa で 6.0 L の気体を、温度を変えずに 3.0×10⁵ Pa にすると、V₂ = 2.0×10⁵ × 6.0 ÷ (3.0×10⁵) = 4.0 L です。圧力が 1.5 倍で、体積は 1/1.5 倍です。

シャルルの法則:圧力が一定なら V は T に比例

圧力と物質量が一定のとき、気体の体積は絶対温度に比例します。これをシャルルの法則といいます。

$$\frac{V}{T} = \text{一定}$$ $$\frac{V_1}{T_1} = \frac{V_2}{T_2}$$

例:27 °C で 6.0 L の気体を、圧力を変えずに 127 °C にすると、V₂ = 6.0 × 400 ÷ 300 = 8.0 L です。127 ÷ 27 倍ではありません。

式に入れる温度は、いつも K 比例や反比例の式で割り算やかけ算をするときは、必ず T に直します。°C のまま入れてよいのは、温度の差を求めるときだけです。

ボイル・シャルルの法則:P・V・T が同時に変わるとき

物質量が一定なら、P、V、T が同時に変わっても、次の式が成り立ちます。これをボイル・シャルルの法則といいます。

$$\frac{PV}{T} = \text{一定}$$ $$\frac{P_1V_1}{T_1} = \frac{P_2V_2}{T_2}$$

2 段階に分けて変化させると導けます。はじめに温度 T₁ のまま圧力を P₂ にして、体積を V′ にします(ボイル)。次に圧力 P₂ のまま温度を T₂ にして、体積を V₂ にします(シャルル)。

$$P_1V_1 = P_2V'$$ $$\frac{V'}{T_1} = \frac{V_2}{T_2}$$

2 つの式から V′ を消すと、上の式になります。T₁ = T₂ なら T が消えてボイルの法則に、P₁ = P₂ なら P が消えてシャルルの法則に戻ります。つまりこの式を 1 つ覚えておけば、一定のものを消すだけで済みます。

解き方の例

27 °C、1.0×10⁵ Pa で 9.0 L の気体を、87 °C で 3.0 L にしたときの圧力を求めます。温度を K に直すと、300 K と 360 K です。

$$\frac{1.0\times10^5 \times 9.0}{300} = \frac{P_2 \times 3.0}{360}$$ $$P_2 = 3.6\times10^5\ \text{Pa}$$

気体の状態方程式 PV = nRT と気体定数 R

PV/T の一定の値は、物質量 n に比例します。同じ温度と圧力なら、体積が物質量に比例するからです(アボガドロの法則)。比例定数を R とすると、次の式になります。これを気体の状態方程式といいます。

$$\frac{PV}{T} = nR$$ $$PV = nRT$$

R を気体定数といいます。気体の種類によらない定数です。標準状態(273 K、1.013×10⁵ Pa)で 1 mol の気体が 22.4 L を占めることから、値が求まります。

$$R = \frac{PV}{nT}$$ $$= \frac{1.013\times10^5 \times 22.4}{1 \times 273}$$ $$\approx 8.31\times10^3\ \text{Pa·L/(K·mol)}$$

シミュレーターの「P×V÷(n×T)」の欄は、どう動かしても 8.31×10³ のままです。

R の単位と、数値が違って見えるわけ

R の数値は、P と V の単位で変わります。式に入れる P と V の単位は、R の単位にそろえます。

R の値P の単位V の単位
8.31×10³ Pa·L/(K·mol)PaL
8.31 kPa·L/(K·mol)kPaL
8.31 Pa·m³/(K·mol)Pam³

物理の教科書に出てくる 8.31 J/(mol·K) は、3 行目と同じ値です。1 Pa·m³ = 1 J で、1 m³ = 1000 L なので、L で表すと 1000 倍の 8.31×10³ になります。

解き方の例

0.25 mol の気体が、127 °C、1.0×10⁵ Pa で占める体積を求めます。

$$V = \frac{nRT}{P}$$ $$= \frac{0.25 \times 8.31\times10^3 \times 400}{1.0\times10^5}$$ $$\approx 8.3\ \text{L}$$

分子量と密度の求め方:PV = (w/M)RT

物質量は、質量 w [g] とモル質量 M [g/mol] から n = w/M と書けます。M の数値が分子量です。状態方程式の n に入れると、次の形になります。

$$PV = \frac{w}{M}RT$$ $$M = \frac{wRT}{PV}$$

気体の質量、体積、温度、圧力を測れば、分子量が求まります。また、密度 d = w/V [g/L] を使って書き直すと、次のようになります。

$$d = \frac{w}{V} = \frac{PM}{RT}$$

密度は、圧力に比例し、絶対温度に反比例し、分子量に比例します。同じ温度と圧力なら、分子量の大きい気体ほど密度が大きくなります。気体の種類によって変わるのは、ここです。

解き方の例

ある気体 1.6 g が、27 °C、1.0×10⁵ Pa で 1.25 L を占めるとき、分子量を求めます。

$$M = \frac{1.6 \times 8.31\times10^3 \times 300}{1.0\times10^5 \times 1.25}$$ $$\approx 32$$

分子量 32 なので、酸素 O₂ と同じ値です。分子量に単位はつきません。モル質量なら 32 g/mol です。

グラフの読み方:P–V、V–T、P–T

同じ法則でも、軸によって形が変わります。「何が一定の線か」と「原点を通るか」を見ましょう。

グラフ一定の量形
P–VT、n反比例の曲線。温度が高いほど右上の線
P–1/VT、n原点を通る直線
V–TP、n原点を通る直線。圧力が高いほど傾きが小さい
V–tP、nt = −273 で V = 0 になる直線。原点は通らない
P–TV、n原点を通る直線。体積が大きいほど傾きが小さい
V–nT、P原点を通る直線
t [°C] V −273 0 のばした部分 t = 0 でも V は 0 でない
V–t のグラフ(模式図)。比例ではなく、1 次関数です

「V は t に比例する」は誤りです。V は t の 1 次関数で、T に比例します。横軸を K で読むと、縦軸が −273 °C の位置に動いて、原点を通る比例になります。

どの式を使う?ボイル・シャルルの法則と状態方程式の選び方

問題文を読んだら、次の順に確かめます。

問題の様子使う式
前と後の 2 つの状態がある。気体の量は変わらないP₁V₁/T₁ = P₂V₂/T₂。一定のものは消す。R を使わないので計算が楽
1 つの状態について、mol が出てくるPV = nRT
質量 g や分子量が出てくるPV = (w/M)RT
密度が出てくるd = PM/(RT)
気体が出入りする(容器の口が開いている、など)容器の中の気体だけを見ると n が変わるので、そのままではボイル・シャルルの法則を使えない。前と後で PV = nRT を立てる

まず確かめること 3 つ ① 気体の量は変わるか。② 温度は K に直したか。③ P と V の単位は R の単位とそろっているか。

口の開いた容器を温めると、圧力は大気圧、体積は容器の大きさのままで、気体の一部が外へ出ます。PV が一定なので、nT が一定になります。27 °C を 127 °C にすると、n は 300/400 = 3/4 倍で、はじめの 1/4 が外へ出ます。出ていった分も容器の中と同じ温度と圧力になると考えれば、全体の量は同じなので、シャルルの法則でも解けます。全体の体積が 4/3 倍になり、容器に残るのはその 3/4 です。

なぜ成り立つ?粒子で見る圧力と温度

気体の圧力は、たくさんの分子が壁にぶつかることで生まれます。圧力の大きさは、同じ時間にぶつかる回数と、1 回の強さで決まります。

変えるものぶつかる回数1 回の強さ圧力
V を半分2 倍(動ける場所が半分)同じ2 倍
n を 2 倍2 倍(分子の数が 2 倍)同じ2 倍
T を 2 倍約 1.41 倍(速くなる)約 1.41 倍(速くなる)2 倍
軽い分子に変える増える(速い)減る(軽い)同じ

絶対温度は、分子の運動の激しさ(分子全体が移動する運動エネルギーの平均)に比例します。だから、T を 2 倍にすると、速さは √2 ≈ 1.41 倍になり、回数と強さの両方が増えて、圧力は 2 倍になります。同じ温度なら、この運動エネルギーの平均は気体の種類によらないので、軽い分子ほど速く動きます。これで、種類によらず同じ関係になることも説明できます。

0 K に近づくと、分子の運動が止まる方向へ向かいます。これが「0 K より低い温度はない」という意味です。

理想気体と実在気体

実際の気体(実在気体)は、分子に大きさがあり、分子どうしが少し引き合います。そのため、低温や高圧では PV = nRT からずれて、やがて液体になります。高校の計算問題では、ことわりがなければ理想気体として扱います。

5確認問題

気体はすべて理想気体とし、気体定数は R = 8.31×10³ Pa·L/(K·mol) とします。答えは有効数字 2 桁で、温度は整数で書きましょう。解説を開く前に、紙に式を書いてみましょう。

問1 温度を換算する

(1) 127 °C と −23 °C を絶対温度で表せ。(2) 500 K は何 °C か。(3) 気体の温度を 20 °C から 50 °C へ上げた。温度の変化は何 K か。

解説を見る

(1) T = t + 273 より、127 + 273 = 400 K、−23 + 273 = 250 K です。

(2) t = T − 273 = 500 − 273 = 227 °C です。

(3) 目盛りの間隔が同じなので、差はそのままで 30 K です。293 K から 323 K への変化と考えても同じです。

問2 ボイルの法則

2.0×10⁵ Pa で 6.0 L の気体がある。温度を変えずに、(1) 体積を 8.0 L にしたときの圧力、(2) 圧力を 3.0×10⁵ Pa にしたときの体積を求めよ。

解説を見る

温度と物質量が一定なので、P₁V₁ = P₂V₂ です。P₁V₁ = 2.0×10⁵ × 6.0 = 12×10⁵ Pa·L です。

(1) P₂ = 12×10⁵ ÷ 8.0 = 1.5×10⁵ Pa

(2) V₂ = 12×10⁵ ÷ (3.0×10⁵) = 4.0 L

問3 シャルルの法則

27 °C で 6.0 L の気体がある。圧力を変えずに、(1) 127 °C にしたときの体積、(2) 体積を 4.5 L にしたときの温度 [°C] を求めよ。

解説を見る

まず温度を K に直します。27 °C は 300 K、127 °C は 400 K です。

(1) V₂ = 6.0 × 400 ÷ 300 = 8.0 L

(2) T₂ = 300 × 4.5 ÷ 6.0 = 225 K なので、t = 225 − 273 = −48 °C です。

問4 ボイル・シャルルの法則

27 °C、1.0×10⁵ Pa で 9.0 L の気体を、87 °C で 3.0 L にした。圧力は何 Pa か。

解説を見る

物質量が一定なので、ボイル・シャルルの法則を使います。温度は 300 K と 360 K です。

$$P_2 = \frac{P_1V_1}{T_1}\times\frac{T_2}{V_2}$$ $$= \frac{1.0\times10^5 \times 9.0}{300}\times\frac{360}{3.0}$$ $$= 3.6\times10^5\ \text{Pa}$$

体積が 1/3 倍で圧力は 3 倍、温度が 1.2 倍で圧力は 1.2 倍になり、合わせて 3.6 倍です。答えは 3.6×10⁵ Pa です。

問5 状態方程式

0.25 mol の気体が、127 °C、1.0×10⁵ Pa で占める体積は何 L か。

解説を見る

mol が出てくる 1 つの状態なので、PV = nRT を使います。

$$V = \frac{0.25\times 8.31\times10^3\times 400}{1.0\times10^5}$$ $$\approx 8.3\ \text{L}$$

答えは 8.3 L です。

問6 分子量を求める

ある気体 1.6 g が、27 °C、1.0×10⁵ Pa で 1.25 L を占める。この気体の分子量を求めよ。

解説を見る

質量が与えられているので、n = w/M を入れた式を使います。

$$M = \frac{wRT}{PV}$$ $$= \frac{1.6\times 8.31\times10^3\times 300}{1.0\times10^5\times 1.25}$$ $$\approx 32$$

分子量は 32 です。

問7 密度を比べる

二酸化炭素 CO₂(分子量 44)の密度を、(1) 27 °C、1.0×10⁵ Pa、(2) 標準状態(1 mol が 22.4 L を占めるとして)で、それぞれ求めよ。

解説を見る

(1) d = PM/(RT) に入れます。

$$d = \frac{1.0\times10^5\times 44}{8.31\times10^3\times 300}$$ $$\approx 1.8\ \text{g/L}$$

(2) 1 mol の質量 44 g が 22.4 L を占めるので、44 ÷ 22.4 ≈ 1.96 で、2.0 g/L です。温度が低く、圧力が少し高いので、(1) の 1.8 g/L より大きくなります。

気体の法則でよくある質問・間違えやすいところ

よくある質問

Q. なぜ °C ではなく K を使うのですか?
体積や圧力が比例するのが、絶対温度だからです。°C の 0 は水がこおる温度という決め方で、気体の運動が止まる温度ではありません。そのため、°C のままでは比例の式になりません。
Q. 273 と 273.15 のどちらを使いますか?
より正確には T = t + 273.15 ですが、高校の計算では、ことわりがなければ 273 を使います。このページも 273 です。
Q. ボイル・シャルルの法則と状態方程式は、どう使い分けますか?
前と後の比較で気体の量が変わらないなら、ボイル・シャルルの法則が楽です。mol、質量、分子量が出てくるとき、気体の量が変わるときは、状態方程式を使います。
Q. R の値が 8.31 と 8.31×10³ の 2 つあるのはなぜですか?
単位が違うからです。圧力が Pa のとき、体積を m³ で表すと 8.31、L で表すと 1000 倍の 8.31×10³ です。化学では L を使うことが多いので、後の値をよく使います。
Q. 8.3×10³ を使う問題もありますが、答えは変わりますか?
資料によって値が少し違います。問題文に値があれば、その値を使ってください。有効数字 2 桁くらいの答えなら、ふつうは同じになります。
Q. 体積の単位が mL、圧力の単位が kPa のときは?
式に入れる前に、R の単位にそろえます。250 mL は 0.25 L、50 kPa は 5.0×10⁴ Pa です。ボイル・シャルルの法則では、両辺で単位がそろっていれば、L のままでも mL のままでもかまいません。
Q. 標準状態とは何ですか?
0 °C、1.013×10⁵ Pa の状態です。このとき、気体 1 mol の体積は種類によらず約 22.4 L です。22.4 L/mol を使えるのは、この状態のときだけです。
Q. 温度を上げると体積が増えるのは、分子が大きくなるからですか?
違います。分子の大きさは変わりません。分子が速く動いて、壁を強く押すので、圧力を一定に保つには、ピストンが外へ動きます。増えるのは、分子と分子の間の空間です。
Q. 重い気体も軽い気体も、同じ圧力になるのはなぜですか?
同じ温度なら、分子 1 個が移動する運動エネルギーの平均が同じです。軽い分子は速いので回数が多く、1 回の強さは小さくなります。重い分子はその逆で、かけると同じになります。
Q. 気体の温度を −273 °C まで下げると、体積は本当に 0 になりますか?
なりません。実際の気体は、そこまで冷やす前に液体や固体になります。0 は、理想気体の直線をのばしたときの値です。
Q. 状態方程式で、質量 g をそのまま n に入れてはいけないのですか?
n は mol です。質量のときは、モル質量で割って n = w/M にしてから入れます。
Q. 2 種類の気体が混ざっているときも使えますか?
全体の物質量を n にすれば、PV = nRT は混合気体でも成り立ちます。それぞれの気体の圧力(分圧)の計算は、このページでは扱いません。

よくある間違い

検算のこつ 答えを出したら、変化の向きを確かめましょう。体積を小さくしたのに圧力が下がっていたら、式の入れ方が逆です。圧力が一定で温度を上げたのに、体積が減っていても同じです。標準状態の 1 mol が 22.4 L になるかどうかも、R の値と単位の確かめに使えます。

次のステップ

このページでは「なぜそうなるか」を、ピストンを動かして確かめました。次は、問題文から一定の量を読み取って、自分の手で式を立てる段階です。

化学では、このあと混合気体と分圧の法則で、2 種類以上の気体を扱います。全体の物質量で PV = nRT を立てられることが、そのまま使えます。実在気体の話では、理想気体からずれる理由を学びます。ほかの単元は、化学の一覧から選べます。