問1 ちょうど r 回
シュートが入る確率が 2/5 の選手が、4 本打つ。ちょうど 3 本入る確率を求めよ。
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答えは 96/625(= 0.1536)です。
同じことを何回もくり返すときの確率は、nCr pr(1−p)n−r という式で求めます。式は短いのですが、「なぜ nCr を掛けるのか」「なぜ『初めて』の問題では掛けないのか」でつまずきやすい単元です。このページでは、○×の並びを実際に並べ、棒グラフと乱数の実験で確かめてから、式を書きます。
前提は、組合せ nCr と、確率の積と和です。二項分布の期待値・分散(数学B)と、条件付き確率の詳しい扱いはこのページでは扱いません。
シミュレーターを動かす前に、直感で選んでください。正解は、操作したあとに開いて確かめます。
予想1 当たる確率が 1/3 のくじを、引くたびに戻して 5 回引きます。「当たり、当たり、はずれ、はずれ、はずれ」と「はずれ、当たり、はずれ、はずれ、当たり」では、どちらが起こりやすい?
正解:ウ どちらも 1/3 を 2 回、2/3 を 3 回掛けるので、順番が変わっても積は 8/243 です。ばらけて「見える」並びが起こりやすいわけではありません。
予想2 同じくじで「5 回中ちょうど 2 回当たる」確率は、並び 1 つの確率 8/243 の何倍?
正解:ウ 当たる 2 回の位置の選び方が 5C2 = 10 通りあるので、80/243 ≈ 0.3292 です。
予想3 確率 1/6 で起こることを 6 回試します。少なくとも 1 回起こる確率は?
正解:イ 1 回も起こらない確率 (5/6)6 を 1 から引いて、31031/46656 ≈ 0.6651 です。確率は 1/6 × 6 のように足し算では増えません。
予想4 確率 1/3 で起こることを 5 回試します。起こる回数で最も起こりやすいのは?
正解:ウ どちらも 80/243 です。いちばん高い棒が 2 本になることがあります。
「並べ方を見る」で並びを数え、「分布を見る」で r ごとの確率を比べ、「実際に試す」で乱数の実験をします。
| ○×の数 | |
|---|---|
| 並び 1 つの確率 | |
| 並び方の数 | |
| 合計(掛け算) | |
| 最後を決めないとき |
| 該当の棒を足す | |
|---|---|
| 1 から余事象を引く | |
| 確率 |
| r | 並び方 | 確率 |
|---|
試した回数:0 回(n = の試行のまとまり)
| いちばん大きいずれ |
|---|
| 試した回数 | いちばん大きいずれ |
|---|
見るところ 掛け算の順番は変わりますが、積はいつも 8/243 です。並びは全部で 10 通りあり、合計は 10 × 8/243 = 80/243 になります。
見るところ 並び 1 つの確率は 1/32 に変わりますが、並びの一覧は 10 通りのままです。並び方の数は n と r だけで決まり、p によりません。合計は 10/32 = 5/16 = 0.3125 です。
見るところ 10 通りが、最後が ○ の 4 通りと、最後が × の 6 通りに分かれます。数えるのは 4 通りで、確率は 4 × 8/243 = 32/243 ≈ 0.1317 です。自由に選べるのは前の 4 マスだけなので、5C2 ではなく 4C1 になります。
見るところ 斜線の棒は 4 本、点の棒は 2 本です。4 本足しても、1 から 2 本を引いても 131/243 ≈ 0.5391 で同じです。本数が少ないほうを計算すれば済みます。
見るところ 下の折れ線が 1 に近づきますが、1 にはなりません。n = 4 で初めて 1/2 を超え(671/1296 ≈ 0.5177)、n = 6 でも約 0.6651、n = 10 で約 0.8385 です。
見るところ いちばん高い棒(▼)は、n = 5 で r = 1 と 2 の 2 本、n = 12 で r = 4、n = 30 で r = 10 です。山は右へ動きながら、低く広がっていきます。
見るところ 1000 回のうち r = 2 は 335 回で、相対度数 0.3350 は理論値(約 0.3292)の近くです。さらに回数を増やすと、棒とひし形のずれは小さくなっていく傾向があります。乱数なので、ずれは毎回同じようには減りません。
2 つの試行で、一方の結果が他方の結果の起こりやすさに影響しないとき、これらの試行は独立であるといいます。独立な試行では、それぞれで決まった結果が起こる確率は積で求められます。同じ条件の独立な試行をくり返すことを反復試行といいます。
1 回で A が起こる確率を p とします。n 回の反復試行で、A がちょうど r 回起こる確率は、次の式です。
例で確かめます。当たる確率が 1/3 のくじを、戻しながら 5 回引いて、ちょうど 2 回当たる確率です。
確かめ方 指数の和は必ず r + (n − r) = n です。また、r = 0 から n までの確率を全部足すと 1 になります。この例では 32 + 80 + 80 + 40 + 10 + 1 = 243 で、合計は 243/243 = 1 です。
問題文の言葉を、「どの棒を足すのか」に読み替えます。n = 5 で書くと、次のようになります。
| 言い方 | 足す棒(r の値) | 余事象の棒 |
|---|---|---|
| ちょうど 2 回 | 2(1 本) | 0、1、3、4、5(5 本) |
| 2 回以上 | 2、3、4、5(4 本) | 0、1(2 本) |
| 2 回以下 | 0、1、2(3 本) | 3、4、5(3 本) |
| 少なくとも 1 回 | 1、2、3、4、5(5 本) | 0(1 本) |
| 3 回未満 | 0、1、2(3 本) | 3、4、5(3 本) |
「A が起こる」と「A が起こらない」の確率の和は 1 です。だから、足す棒の本数が多いときは、残りの棒を 1 から引くほうが楽です。特に「少なくとも 1 回」は、残りが「1 回も起こらない」の 1 本だけです。
例:n = 5、p = 1/3 なら、1 − (2/3)5 = 1 − 32/243 = 211/243 ≈ 0.8683 です。「少なくとも 2 回」のときは、残りが r = 0 と r = 1 の 2 本になります。r = 1 の分を忘れやすいので注意しましょう。
「少なくとも 1 回」と「ちょうど 1 回」は別のことです。次の練習で、言葉と棒の対応を確かめましょう。
5 回の試行です。言葉に合う回数のボタンをすべて押して、判定してください。
「n 回目に初めて」「n 回目に 2 度目」は、最後の回が ○ に決まっています。自由に並べられるのは前の n − 1 回だけなので、そこにだけ組合せを使います。
前の n − 1 回で r − 1 回起こり、最後の 1 回で起こる、という 2 つの積です。p = 1/3 で計算します。
並びは ×××○ の 1 通りだけです。並び方の数は 3C0 = 1 なので、組合せが消えて見えます。
前の 4 回で 1 回起こる並びが 4C1 = 4 通りあり、どれも確率は 8/243 です。
「5 回中ちょうど 2 回」の 80/243 より小さくなります。80/243 の 10 通りのうち、最後が ○ の 4 通りだけを数えるからです。
見分け方 「n 回のうちに」なら最後は決まっていません。「n 回目に」「n 回目で終わる」「先に勝つ」なら、最後の回が決まっています。
いちばん高い棒を探すには、となりの棒との比を見ます。公式を覚えなくても、次の式を自分で作れば分かります。
この比が 1 より大きければ右の棒のほうが高く、1 より小さければ右の棒のほうが低く、ちょうど 1 なら同じ高さです。r が増えると比は小さくなるので、棒は上がってから下がる、山の形になります(はじめから下がることも、最後まで上がることもあります)。
n = 12、p = 1/3 で計算します。p/(1 − p) = 1/2 です。
| 比べる棒 | 比 | 結果 |
|---|---|---|
| P(3)/P(2) | 5/3 | 1 より大きいので上がる |
| P(4)/P(3) | 9/8 | 1 より大きいので上がる |
| P(5)/P(4) | 4/5 | 1 より小さいので下がる |
いちばん高いのは r = 4 です。n = 5、p = 1/3 では P(2)/P(1) = 1 なので、r = 1 と r = 2 が同じ高さになります。
比が 1 より大きいという不等式を r について整理すると、r + 1 < (n + 1)p になります。n = 12、p = 1/3 では (n + 1)p = 13/3 なので、r + 1 が 4 までは上がり続けます。これは問題ごとに導けるので、覚える必要はありません。
当たり 4 本を含む 12 本のくじを 3 回引きます。1 回目に当たる確率は、どちらも 1/3 です。違いは 2 回目からです。
| 引くたびに戻す | 戻さない | |
|---|---|---|
| 1 回目が当たりのとき、2 回目に当たる確率 | 4/12 = 1/3 | 3/11 |
| 1 回目がはずれのとき、2 回目に当たる確率 | 4/12 = 1/3 | 4/11 |
| 試行は | 独立(反復試行) | 独立でない |
| 3 回中ちょうど 1 回当たる確率 | 4/9 ≈ 0.4444 | 28/55 ≈ 0.5091 |
戻さないときは、前の結果で次の確率が変わるので、p を掛け続ける公式は使えません。この場合は、12 本から 3 本を選ぶ組合せで数えます(4C1 × 8C2 ÷ 12C3 = 112/220 = 28/55)。問題文の「戻す」「戻さない」「元に戻して」を必ず確かめましょう。
どの問題も、各回の結果は独立とします。答えは約分した分数で求めましょう。解説を開く前に、紙に式を書いてみてください。
シュートが入る確率が 2/5 の選手が、4 本打つ。ちょうど 3 本入る確率を求めよ。
答えは 96/625(= 0.1536)です。
発芽する確率が 3/4 の種を 4 粒まく。3 粒以上発芽する確率を求めよ。
3 粒と 4 粒の 2 本を足します。
答えは 189/256(≈ 0.7383)です。
当たる確率が 1/5 のスクラッチカードを 5 枚買う。少なくとも 1 枚当たる確率を求めよ。ただし、各カードの当たりはずれは独立とする。
答えは 2101/3125(≈ 0.6723)です。
1 個あたり確率 1/10 で不良品ができる機械で、6 個作る。不良品が 2 個以上できる確率を求めよ。
余事象は「0 個」と「1 個」の 2 本です。
約分すると 22853/200000(≈ 0.1143)です。
的に当たる確率が 1/4 の人が、矢を投げる。3 回目に初めて当たる確率を求めよ。
答えは 9/64(≈ 0.1406)です。並びは ××○ の 1 通りだけです。
フリースローが入る確率が 2/3 の選手が打ち続ける。5 本目を打ったときに、入った本数が初めて 3 本になる確率を求めよ。
前の 4 本で 2 本入り、5 本目が入ります。
答えは 16/81(≈ 0.1975)です。
A が B に 1 試合で勝つ確率は 3/5 で、引き分けはない。先に 3 勝したほうを優勝とするとき、A が優勝する確率を求めよ。
優勝が決まる試合は A の 3 勝目で、最後の回が決まっています。3 試合目、4 試合目、5 試合目で決まる場合に分けて足します。
答えは 2133/3125(≈ 0.6826)です。1 試合の 0.6 より大きくなります。試合数が増えると、強いほうが勝ちやすくなります。
確率 1/4 で起こることを 9 回試す。起こる回数で最も起こりやすいものを、となりとの比を使って求めよ。
比は P(r + 1)/P(r) = (9 − r)/(r + 1) × 1/3 です。
r = 2 までは上がり、その先は下がるので、最も起こりやすいのは 2 回です。P(2) = 19683/65536 ≈ 0.3003 です。
| 用語 | 意味 | このページの例 |
|---|---|---|
| 独立 | 一方の結果が、他方の結果の起こりやすさに影響しない | くじを戻して引くときの 1 回目と 2 回目 |
| 排反 | 同時には起こらない | ○○××× と ○×○××(どちらか一方しか起こらない) |
| 反復試行 | 同じ条件の独立な試行のくり返し | 確率 1/3 のくじを戻しながら 5 回引く |
| 余事象 | その事柄が起こらないという事柄 | 「少なくとも 1 回」の余事象は「1 回も起こらない」 |
| 相対度数 | 起こった回数 ÷ 試した回数 | 1000 回中 335 回なら 0.3350 |
独立と排反は別のもの 独立は「積」を使ってよい理由、排反は「和」を使ってよい理由です。反復試行の公式では、1 つの並びの確率を積で出すときに独立を使い、並びどうしを足すときに排反を使っています。
並びを数えて式の意味が見えたら、次は問題文を読んで、どの棒を足すのかを自分で決めて計算する段階です。教科書や手持ちの問題集の問題を、解く前に棒グラフの形で思い浮かべてみましょう。
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