問1 候補が両端だけのとき
y = −2x² + 4x + 1(2 ≦ x ≦ 3)の最大値と最小値を求めよ。
解説を見る
軸 x = 1 は定義域より左にあるので、定義域の中では右下がりです。頂点の 3 は答えになりません。x = 2 のとき y = 1、x = 3 のとき y = −5 です。
答え:x = 2 のとき最大値 1、x = 3 のとき最小値 −5
二次関数の最大値・最小値は、定義域(x の範囲)があると頂点だけでは決まりません。式に文字 a が入ると、a の値によって答えの式まで変わります。このページでは、放物線や定義域を自分で動かして、最大と最小の印がどこへ移るかを見ながら、その理由を式で確かめます。
前提は平方完成と、y = c(x − p)² + q のグラフ(頂点と軸)です。このページは定義域つきの最大・最小を扱います。二次方程式や二次不等式は別の単元です。
シミュレーターを動かす前に、直感で答えを選んでください。正解は、操作したあとに開いて確かめます。
予想1 y = (x − 1)² + 2(2 ≦ x ≦ 4)の最小値はいくつ?
正解:イ 頂点は x = 1 にあり、定義域の外です。定義域の中では、軸にいちばん近い左端 x = 2 で y がいちばん小さくなり、最小値は 3 です。11 は最大値です。
予想2 y = x² − 2ax + 3(0 ≦ x ≦ 2)で、a を小さい値から大きい値まで動かします。最小値をとる場所は何通りある?
正解:イ 軸 x = a が定義域より左のときは左端、定義域の中のときは頂点、定義域より右のときは右端の 3 通りです。境目は a = 0 と a = 2 です。
予想3 同じ式で、最大値をとる場所が切り替わるのは、a がいくつのとき?
正解:イ 定義域の真ん中は x = 1 です。軸がそこより左なら右端のほうが軸から遠く、右なら左端のほうが遠くなります。a = 1 ちょうどでは両端の y がどちらも 3 で、2 か所で最大になります。
予想4 y = x²(−1 ≦ x < 2)の最大値はいくつ?
正解:ウ x を 2 に近づけると y は 4 にいくらでも近づきますが、x = 2 は定義域に入らないので、y = 4 にはなりません。4 より小さいどの値を選んでも、それより大きい y があるので、最大値はありません。最小値は x = 0 のときの 0 です。
モードを選び、スライダーで a を動かします。図の中をドラッグしても動かせます(「自分で決める」では、頂点の四角と、下の帯の定義域の両端をつかみます)。▲ が最大、▼ が最小です。
境目へ移動:
軸 頂点 定義域 真ん中
| 候補 | x | y | 軸からの距離 |
|---|
▶ がいまの a の行です。a を動かすと行が移ります。
上から順に試して、気づいたことに印をつけていきましょう(印はこの画面の中だけで使い、保存はされません)。
やってみるy = (x − 1)² + 2(2 ≦ x ≦ 4)を開き、軸 p を動かして定義域に入れたり出したりする。
見るところp = 1 では頂点が白い四角で、最小は左端 x = 2 の 3 です。定義域の中の太い線だけを見れば、右上がりの線の左端がいちばん低いと分かります。
やってみる同じ状態で、係数 c を 1 から 2 に変える。
見るところ値は最小 3 → 4、最大 11 → 20 と変わりますが、最小は x = 2、最大は x = 4 のままです。場所を決めるのは、c の符号と軸の位置です。
やってみる「軸が動く」で a を −1 から 3 まで動かす。
見るところa < 0 では左端、0 ≦ a ≦ 2 では頂点、a > 2 では右端に ▼ がつきます。a の帯の「最小」の行で、色のついた区画が移ります。
やってみるa を 0.9 → 1 → 1.1 と動かす。
見るところa = 0.9 では右端で最大(3.4)、a = 1 では両端で最大(3)、a = 1.1 では左端で最大(3)です。下の帯の 2 本の距離を比べると、長いほうの端に ▲ がつきます。
やってみる「境目へ移動」のボタンで a = 2 を押し、軸と右端が重なるのを見る。
見るところ頂点と右端が同じ点なので、最小値は −a² + 3 でも −4a + 7 でも −1 です。下の a のグラフでも、線は切れていません。最大値の線は a = 1 で折れますが、最小値の線は a = 0、2 で式が変わっても折れずになめらかにつながります。
やってみるy = −x² + 2ax + 3 で a を動かす。
見るところ今度は最大値が 3 通りで、最小値が真ん中で分かれます。a = 1 では、頂点 x = 1 で最大 4、両端 x = 0、2 で最小 3 です。
やってみる「定義域が動く」で a を増やす。
見るところ放物線は動かず、定義域が右へ進みます。軸から見ると定義域は左から右へ通り過ぎるので、最小をとる場所は右端 → 頂点 → 左端の順です。軸が動くとき(左端 → 頂点 → 右端)と逆ですが、見ているものは「軸と定義域の位置関係」で同じです。
やってみる「右端が動く」で a を 1 から 5 まで動かす。
見るところy = x² − 4x + 5(0 ≦ x ≦ a)の最大値は、0 < a < 4 では左端の 5 のままです。a = 4 で右端も 5 になって 2 か所になり、a > 4 では右端に移ります。定義域の真ん中 a ÷ 2 が軸 x = 2 と重なるのが a = 4 です。
やってみるy = x²(−1 ≦ x ≦ 2)で「右端を含まない」に印をつけたり外したりする。
見るところ印をつけると、右端の点が白丸になり、最大値が「なし」になります。左端に印をつけても、最大は x = 2 のままで変わりません。答えを決めている端を含まないときだけ、なくなります。
定義域があるときも、文字が入るときも、手順は同じです。
軸は x = 3 で、定義域の中にあります。頂点の y = 2 が最小値です。端の値は、x = 0 のとき 11、x = 4 のとき 3 なので、最大値は 11 です。
答え:x = 0 のとき最大値 11、x = 3 のとき最小値 2
定義域がないとき x がすべての実数をとれるなら、頂点だけを見ます。c > 0 なら頂点で最小で、上にはいくらでも伸びるので最大値はありません。c < 0 なら頂点で最大で、最小値はありません。
式の中に文字 a があると、軸の位置が a で変わります。定義域は決まっているのに、軸が左にも右にも動きます。例として、次の関数で考えます。
軸は x = a、頂点は (a, −a² + 3) です。下に凸なので、最小値は「軸にいちばん近い場所」で決まります。軸と定義域の位置関係は次の 3 つです。
図の▼が最小、▲が最大、紫の破線が軸、水色の帯が定義域です。
境目の a = 0 と a = 2 は、軸と端が重なる a です。a = 2 では、頂点 (a, −a² + 3) と右端 (2, −4a + 7) が同じ点になります。同じ点の y なので、−a² + 3 に入れても −4a + 7 に入れても −1 です。a = 0 も同じで、どちらの式でも 3 です。だから境目の等号はどちらの行に入れてもよく、計算の確かめにも使えます。
答えは、a の範囲ごとに、値とそのときの x を書きます。
a < 0 のとき x = 0 で最小値 3
0 ≦ a ≦ 2 のとき x = a で最小値 −a² + 3
a > 2 のとき x = 2 で最小値 −4a + 7
放物線は軸について左右対称で、軸から離れるほど y が大きくなります(下に凸のとき)。だから、最大値は軸から遠いほうの端でとります。比べるのは「どちらの端が軸から遠いか」で、それが切り替わるのは、軸が両端からちょうど同じ距離にあるとき、つまり軸が定義域の真ん中にあるときです。
点線が定義域の真ん中です。軸と端を比べるのではなく、軸が真ん中の左か右かで分かれています。
式でも確かめられます。y = c(x − p)² + q で右端と左端の値の差を計算すると、次のようになります。
t − s は正なので、c > 0 なら、差の符号は「真ん中 − 軸」の符号で決まります。軸が真ん中より左なら右端が大きく、右なら左端が大きく、ちょうど真ん中なら等しくなります。
y = x² − 2ax + 3(0 ≦ x ≦ 2)の定義域の真ん中は x = 1 です。
a = 1 では軸から両端までの距離が同じなので、y も同じです。−4a + 7 に a = 1 を入れると 3 で、もう一方の 3 とそろいます。ただし x は 0 と 2 の 2 か所なので、x まで答えるときは a = 1 の行を別に書きます。
c < 0 では、軸に近いほど y が大きくなります。だから、最大値が「軸に近い場所」で 3 通り、最小値が「軸から遠い端」で真ん中で分ける形になります。
例:y = −x² + 2ax + 3 = −(x − a)² + a² + 3(0 ≦ x ≦ 2)
| a の範囲 | 最大値 |
|---|---|
| a < 0 | x = 0 で 3 |
| 0 ≦ a ≦ 2 | x = a で a² + 3 |
| a > 2 | x = 2 で 4a − 1 |
| a の範囲 | 最小値 |
|---|---|
| a < 1 | x = 2 で 4a − 1 |
| a = 1 | x = 0、2 で 3 |
| a > 1 | x = 0 で 3 |
放物線は固定で、定義域のほうが動く問題です。考え方は同じで、軸と定義域の位置関係を見ます。
平方完成すると y = (x − 2)² + 1 で、軸は x = 2 です。定義域の左端は a、右端は a + 2、真ん中は a + 1 です。
| a の範囲 | 位置関係 | 最小値 |
|---|---|---|
| a < 0 | a + 2 < 2:定義域が軸より左 | x = a + 2 で a² + 1 |
| 0 ≦ a ≦ 2 | 軸が定義域の中 | x = 2 で 1 |
| a > 2 | a > 2:定義域が軸より右 | x = a で a² − 4a + 5 |
| a の範囲 | 位置関係 | 最大値 |
|---|---|---|
| a < 1 | 真ん中 a + 1 が軸より左:左端が遠い | x = a で a² − 4a + 5 |
| a = 1 | 真ん中が軸と重なる | x = 1、3 で 2 |
| a > 1 | 真ん中 a + 1 が軸より右:右端が遠い | x = a + 2 で a² + 1 |
右端の値は (a + 2 − 2)² + 1 = a² + 1 と計算します。式を展開する前に、x に a + 2 を入れた形を書くと間違えにくくなります。
左端は x = 0 のままで、定義域がのびていきます。
0 < x ≦ 3 のように等号がない端は、定義域に入りません。その端で最大や最小になるはずのときは、最大値(最小値)はなしと答えます。「いくらでも近づくけれど、その値にはならない」ので、いちばん大きい値が決まらないからです。ただし、下に凸で、軸がちょうど真ん中にあって両端が同じ高さのときは、含まれるほうの端で最大になります。y = x²(−2 < x ≦ 2)なら、x = 2 で最大値 4 です。
例:y = x²(0 < x ≦ 2)では、最大値は x = 2 のときの 4 です。最小値は、x = 0 が定義域に入らないので、なしです。
場合分けの答えをまとめて、a の関数とみることができます。最小値を m(a) とすると、次のようになります。
最小値の式は 3 つに分かれていますが、最小値の線は境目でつながって 1 本になります。シミュレーターの下のグラフで、a を動かすと点がこの線の上を進みます。
問題によっては「m(a) がいちばん大きくなる a は?」と聞かれます。この例では、最小値の線のいちばん高いところは a ≦ 0 の 3 です。a > 0 では −a² + 3 も −4a + 7 も 3 より小さくなります。
周の長さが 20 cm の長方形の、横の長さを x cm とします。縦は (10 − x) cm で、辺の長さは正なので、0 < x < 10 です。面積を y cm² とすると
軸 x = 5 は定義域の中にあるので、x = 5 のとき最大値 25 です。つまり、1 辺 5 cm の正方形で面積が最大になり、25 cm² です。x = 0、10 は定義域に入らないので、最小値はありません。文章題では、この「x のとりうる範囲」を先に書くことが大事です。
投げた点を原点、y を上向き正とし、空気抵抗を無視して、ボールを真上に 19.6 m/s で投げます。g = 9.8 m/s² とすると、t 秒後の高さ y [m] は次の二次関数です。
上に凸なので、頂点の t = 2 s で最高点になり、高さは 19.6 m です。ボールが投げた点に戻るのは t = 4 s なので、定義域は 0 ≦ t ≦ 4 です。もし最初の 1 秒間(0 ≦ t ≦ 1)だけを見るなら、軸 t = 2 は定義域の外なので、いちばん高いのは右端の t = 1 s で、14.7 m です。
同じ式は、斜方投射の鉛直方向にも出てきます。斜方投射の最高点は、この「二次関数の頂点」です。
文字のない問題から、文字の入る問題へと並べました。a は定数です。まず平方完成して、軸と定義域の図を描きましょう。解説を開く前に、紙に書いてみましょう。
y = −2x² + 4x + 1(2 ≦ x ≦ 3)の最大値と最小値を求めよ。
軸 x = 1 は定義域より左にあるので、定義域の中では右下がりです。頂点の 3 は答えになりません。x = 2 のとき y = 1、x = 3 のとき y = −5 です。
答え:x = 2 のとき最大値 1、x = 3 のとき最小値 −5
y = x² − 6x + 7(1 ≦ x ≦ 4)の最大値と最小値を求めよ。
軸 x = 3 は定義域の中です。x = 1 のとき y = 2、x = 4 のとき y = −1 です。
答え:x = 1 のとき最大値 2、x = 3 のとき最小値 −2
y = x² − 4x + 1(0 < x ≦ 3)の最大値と最小値を求めよ。ないときは「なし」と答えよ。
x = 2 のとき最小値 −3 です。軸から遠いのは左端 x = 0 で、y は 1 に近づきますが、x = 0 は定義域に入らないので、最大値はありません。右端 x = 3 の y = −2 は、最大値ではありません。
答え:最大値なし、x = 2 のとき最小値 −3
y = −x² + 6x − 4(0 ≦ x ≦ a、a > 0)の最大値と最小値を、a の値で場合分けして求めよ。
上に凸なので、軸に近い場所で最大、遠い端で最小です。
最大値:右端 a が軸 x = 3 に届くかどうかの 2 通りです。0 < a < 3 のとき右端 x = a で −a² + 6a − 4。a ≧ 3 のとき頂点 x = 3 で 5。
最小値:定義域の真ん中 a ÷ 2 と軸 x = 3 を比べます。0 < a < 6 のとき左端 x = 0 で −4。a = 6 のとき x = 0、6 で −4。a > 6 のとき右端 x = a で −a² + 6a − 4。
y = x² − 2ax + 5(1 ≦ x ≦ 3)の最大値を、a の値で場合分けして求めよ。
定義域の真ん中は x = 2 です。軸 x = a と比べます。
a < 2 のとき、右端 x = 3 が遠いので、y = 9 − 6a + 5 より 最大値 −6a + 14
a = 2 のとき、両端 x = 1、3 で 最大値 2(−6a + 14 も −2a + 6 も 2 になります)
a > 2 のとき、左端 x = 1 が遠いので、y = 1 − 2a + 5 より 最大値 −2a + 6
問5 の関数の最小値を、a の値で場合分けして求めよ。
軸 x = a と、左端 1、右端 3 を比べます。
a < 1 のとき、x = 1 で 最小値 −2a + 6
1 ≦ a ≦ 3 のとき、x = a で 最小値 −a² + 5
a > 3 のとき、x = 3 で 最小値 −6a + 14
y = x² − 4x + 6(a ≦ x ≦ a + 1)の最小値を、a の値で場合分けして求めよ。
軸は x = 2 です。定義域の右端 a + 1 と左端 a を、軸と比べます。
a + 1 < 2、つまり a < 1 のとき、右端 x = a + 1 で最小。y = (a + 1 − 2)² + 2 = (a − 1)² + 2 より 最小値 a² − 2a + 3
1 ≦ a ≦ 2 のとき、軸が定義域の中なので、x = 2 で 最小値 2
a > 2 のとき、左端 x = a で最小。y = (a − 2)² + 2 より 最小値 a² − 4a + 6
周の長さが 28 cm の長方形がある。横の長さを x cm とするとき、面積が最大になる x と、そのときの面積を求めよ。x のとりうる範囲も答えよ。
縦は (14 − x) cm です。縦も横も正なので、0 < x < 14 です。面積を y cm² とすると
軸 x = 7 は定義域の中なので、答えは x = 7 のとき、面積は最大で 49 cm²(1 辺 7 cm の正方形)です。
確かめ方 a に具体的な数(たとえば −1)を入れて、もとの式の x に左端、右端、頂点の x(定義域に入るときだけ)を代入し、その中のいちばん小さい値(大きい値)と自分の答えの式を比べましょう。軸と端が重なる a では頂点と端が同じ点なので、2 つの式の値がそろうはずです。シミュレーターの値とも比べられます。
このページでは、最大と最小の印がどこへ移るかを、放物線と定義域を動かして確かめました。次は、自分の手で場合分けを書けるようになる段階です。教科書や手持ちの問題集で、まず定義域が数だけの問題、次に文字を含む問題の順に解いてみましょう。
同じ「放物線の頂点」の考え方は、物理でも使います。斜方投射のページで、最高点の高さを確かめてみましょう。
数学では、次に二次方程式と二次不等式を学びます。放物線と x 軸の共有点を調べる問題で、平方完成と軸の見方をそのまま使います。文字を含む二次不等式でも、このページの場合分けの考え方が役立ちます。